金沢を行く
片町商店街かいわい(金沢市)
昼夜の「顔」進化へ
金沢駅から南南東に約2キロメートル、金沢市の中心に位置する片町商店街。大通り(国道157号)に沿って、総延長約850メートルのアーケードが伸びる。この町には、若い女性客や家族連れでファッションショップやカフェがにぎわう「昼の顔」と、居酒屋やバーなど約1500もの飲食店が軒を連ねる、北陸最大級の繁華街という「夜の顔」とがある。
商店街の中心に位置する欧州風ショッピングモール「プレーゴ」は、この町の「昼の顔」の象徴だ。大理石が敷き詰められた楕円(だ・えん)形の広場を中心に、オープンカフェやレストランが店を構える。
2001年、それまで十数年間空き地になっていた場所に、金沢市と、地元の中小事業者がつくる「金沢商業活性化センター」などが町のイメージアップを狙って建てた。片町商店街振興組合の理事長、小間井隆幸さん(56)は「このしゃれた雰囲気が、片町だけでなく金沢全体のブランドイメージを高めている」と胸を張る。
一方、「夜の顔」を彩るのは、片町交差点(スクランブル)周辺のネオンと人の波。バブル景気に沸いた80年代後半、この交差点に面する商店は、次々とバーやラウンジが入居するテナントビルに建て替えられていった。
しかし、バブル崩壊と不況の波が飲食店街を直撃し、売り上げは落ち込んだ。商店街は、運転代行のチケットが当たる抽選会などの「販促イベント」に打って出る。「大売り出しや福引のような、商店街一体での取り組みを夜の町でも、ということです」とテナントビルのオーナー、八田稔さん(48)は説明する。
今月、片町を含め五つの商店街が合同で実施する「金沢まち飲みラウンド」では、前売り3千円のチケットで飲食店3店をハシゴできる。初めての店にも気軽に入ってもらおうという試みだ。
今年1月、片町商店街振興組合は組合員の80%以上の賛同を得て、地元が町づくりのルールを自主的に決める「まちづくり協定」を金沢市と結んだ。今は大半が1階の高さのアーケードを2階の高さ(地上8メートル)に統一し、空きテナントが目立っている2階以上への入居を促す。
5年後には北陸新幹線の金沢延伸も迫る。そのころ、片町商店街はまた新しい「顔」を見せているだろうか。(那波智彦)
【DATA】
■片町 江戸時代初期に犀川の支流が流れる広い河原を埋め立てて出来た土地で、当初は「河原町」と呼ばれていた。片町の名は、通りの片側に家が並んだことに由来している。
■片町商店街振興組合 1894(明治27)年ごろに「片町組合」として結成された。金沢市片町1丁目と2丁目にまたがり、国道157号沿いに立ち並ぶ商店街。現在のアーケードは1981年に完成。組合員数62人。
■ラブロ片町 宮市百貨店として1923(大正12)年に創業した百貨店・大和の本社ビルで、専門店を中心とする複合商業施設。大和本店の機能が香林坊店に移転した1986(昭和61)年に開設。金沢市が空き店舗対策として、観光客や修学旅行生向けの観光案内所「金沢まちなか観光交流サロン」を昨年11月末にオープン=写真。2月には常設の展示スペース「金沢美術工芸大学アートギャラリー」を開設した。
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